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クォバディス

ポーランド作家シェンキェー・ヴィチの著わしたノーベル賞受賞歴史小説(岩波文庫)。暴君ネロの時代。迫害を受けたキリスト教徒の美しい娘リギアと若い戦士ウィニキウスとの純愛を綴るストーリー…のほうは実はたいしたことはない。=b ミソは、ウィニキウスの後見役でありネロのブレインでもある“趣味の審判者”ペテロニウス悪徳にまみれながらも圧倒的な存在感でその生き様と死に様を見せつけてくれるくだり。

主(イエス・キリスト。キリスト教ではむやみに神の名を口にすることを禁じており、しばしばこのように言い換える)を意味する「ドミノ」を最後に付けて(もしくは冠して)、「主よ何処に行かれるのですか」を意味するラテン語(Quo vadis domine?)。迫害を恐れてローマを離れた使徒ペテロがキリスト(幻影)に出会い、こう問うたとき、キリストは「おまえがわたしの民を捨てるなら、わたしはローマへ行ってもう一度十字架にかかろう」と答える。ペテロは自らの行為を恥じ、ローマに引き返し、果たして十字架に架けられた。このとき主と同じ十字架とは畏れ多いと逆さ十字架に架けられることを自ら望んだとされる。--sumim

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