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Lisa/Mac 開発に影響を与えた技術たちを映像で観る

百聞は一見にしかず。GUI の歴史を語る前に是非、見て脳裏に焼き付けておきたい映像を集めてみました。--sumim

Sketchpad

1963年。アイバン・サザーランド。現在主流のドロー系ツールの元祖的存在。トグルスイッチとライトペンを用いたオペレーションにこそ古くささは否めないが、制約プログラミングを駆使した最新のドロー系ツールも顔負けのその機能は 40年近く経た今なお示唆に富む。映像からは分からないが、マスター/インスタンスと呼ばれている構成要素とそれらを用いた動作機序も、SIMULA 言語のプロセス/アクション(後にクラス/オブジェクトという現在も使われる用語に置き換えられた)という要素ともに、アラン・ケイがオブジェクト指向という考え方にたどり着くための大きなヒントを与えたとされる。

NLS

oNLine System の略。1968年に行なわれた、ダグラス・エンゲルバートの伝説的なデモ。この壮大なスケールで行なわれたデモは、コンピューティング分野に限らず、あらゆるデモンストレーションの“母”とまで呼ばれている。マウスオペレーション、ハイパーリンクの効用、白地に黒の文字…など、後の Smalltalk システムや Lisa/Mac に与えた要素を多数見つけることができる。

Smalltalk システム

オブジェクト指向“言語”としてセンセーショナルなデビューを飾ってしまったが故に、あるいは、単にプログラミングができるからという理由だけで“開発環境”のレッテルを貼られてしまっている Smalltalk だが、本来は ALTO を暫定ダイナブックとして動作させるための GUI ベースの OS として開発された経緯を持つ。オーバーラップマルチウインドウ、カット&ペーストなどの対話的オペレーション、マルチフォント、お絵描きツール、などなど、Apple により Lisa/Mac のそれが“初”である…と宣伝されそう信じられてきた技術の多くが、このシステムにすでに完成されたかたちで組み込まれていたことを、短いながらもこの映像は雄弁に語ってくれる。ちなみに、当時の Smalltalkシステムと、ほぼ同じしくみで動作する GUI フレームワークは、今も Squeak の中に封じ込められていて、必要ならいつでも目覚めさせ、実際に使用することも可能だ(デスクトップメニュー → open... → mvc project)。


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